3月17日20:55から放送の「マツコの知らない世界」で【氷彫刻】が特集されます。
予告では、日本の職人たちによる繊細かつダイナミックな技術が紹介され、まさに“究極のアート”として注目を集めています。
番組には、氷彫刻の世界で活躍する平田浩一氏、小阪芳史氏のお二人が登場予定です。ホテルや結婚式場のイメージが強い氷彫刻ですが、実は大会や競技としても発展している奥深い世界があります。

この記事では、「読み方」「歴史」「価格」「なぜ料理人が作るのか?」など、氷彫刻に関する素朴な疑問を分かりやすく解説します。
普段あまり目にする機会が少ない氷彫刻ですが、調べてみると意外と奥深い世界でした。
氷彫刻とは?
1)氷彫刻の読み方
氷彫刻は一般的に「こおりちょうこく」と読みます。
一方で、「ひょうちょうこく」と読まれる場合もあり、どちらも間違いではありません。
「氷」にはこおり(訓読み)ひょう(音読み)の2つの読み方があるため、このように複数の読み方が使われています。
記事や会話では「こおりちょうこく」と読むことが多いですが、状況によって異なる読み方が使われることもあります。
2)氷彫刻の歴史
氷を加工して装飾に使う文化は、古くは中国などで見られたとされています。
宴席で氷の彫刻を楽しんだという記録があり、中国北部など寒冷地では、氷や雪を使った装飾や造形文化が発展していきました。
日本では明確な伝来時期は不明。
ただし、氷を保存・利用する文化は平安時代から存在していたとされます(氷室など)。
現在のような「氷彫刻」は、戦後の高度経済成長期(1950〜1970年代)に広まったとされ、ホテルや宴会文化の発展とともに、料理人による氷彫刻が普及。
その後、調理師の技術競技や大会が開催されるようになり、芸術性が高まっていきます。
現在ではイベントや世界大会などでも披露される技術へと発展してきました。
氷彫刻は古い文化の影響を受けつつも、日本では比較的新しい技術として発展してきたといえます。

3)なぜ氷を使用するのか?
氷が使用される主な理由は5つです。氷の透明度による美しさや儚さ、特別感、加工のしやすさ、清涼感、芸術などが挙げられます。

・透明度…使用される純水は透明度が高く、まるでクリスタルのような美しさ
・儚さ…時間が経てば溶けてしまうため、有限の儚さという演出効果
・加工のしやすさ…氷は削りやすく短時間で巨大な彫刻を作り上げることが可能
・清涼感…見た目に涼しさに加え、特別な席での演出に適している
・非日常感…普段目にしない素材のため、特別な空間を演出できる

4)どんな時に使われるのか?
主にイベント(結婚式、パーティー、展示会、記念式典)などの場面で使われることが多いです。
華やかさ、涼しげな演出が特徴のため、観光イベントや地方の冬祭りの目玉としても注目を集めています。
特に有名どころをいくつかピックアップしてみました。
・氷彫刻世界大会(北海道旭川市)
・国宝松本城氷彫フェスティバル(長野県松本市)
・明治神宮奉納全国氷彫刻展(東京都渋谷区)
・千歳・支笏湖 氷濤まつり(北海道千歳市)
・氷と灯りの祭典(岐阜県高山市)
・成田山新勝寺 春季奉納全国氷彫刻展(千葉県成田市)
・ラ コリーナ近江八幡 氷彫刻大会(滋賀県)
・ホテルニューオータニの氷彫刻(東京都)
※室内展示の場合、観賞できる時間は約7〜8時間が目安とされています。
これらのイベントでは、チェーンソーやノミを使い、繊細な曲線を描く職人の技を間近で見ることができます。

5)氷彫刻の魅力
無色透明な氷をチェーンソーやノミで削り出し、職人達の高い技術力によって生み出される造形美。氷から生み出される氷像は芸術そのもの。
氷彫刻は、凍った瞬間から溶けゆくまでの時間をもアートとして楽しむ、まさに「生きている芸術」と言えます。
そのため、同じ作品でもまったく同じ状態で見ることはできず、「今この瞬間だけの美しさ」を楽しめるのも大きな魅力です。

氷彫刻の制作について
1)道具一覧
氷彫刻は見た目の美しさだけでなく、専用の道具と技術によって作られています。
ここでは、制作に使われる道具や工程、気になる価格について分かりやすく解説します。
道具に関しては大きく分けてチェーンソー、氷ノミ、ノコギリを使用します。
・チェーンソー…大きな氷の塊から大まかな形を切り出す「荒削り」に必須

・平ノミ: 刃幅12mm〜120mm程度まであり、荒削りから仕上げ、構図の描き込みまで幅広く使われます。
・角ノミ・三角ノミ: V字型の溝を彫ったり、エッジを立てたりする際に使用します。
・丸ノミ: 曲面の削り出しに使用しますが、研ぐのが難しく上級者向けとされることもあります。

・氷ノコギリ…手動で氷を切断する道具で、刃渡り330mm〜540mm程度のものが一般的です。
その他、氷小刀やバーナーなども使用しますが、氷の大きさや氷像の形によって用途に応じて複数の道具を使い分けます。
2)作り方(工程)
氷彫刻は専用の氷(通常は不純物を含まない透明な「純氷」)を、チェーンソーやノミを使って削り出す芸術です。
一般的には冷凍倉庫や冬場の屋外などの寒冷な環境で制作されます。
準備する物もありますが、一般的な制作の流れは以下の通りです。
①デザインと墨出し(下書き)
②荒削り(チェーンソー)
③細部削り(ノミ)
④仕上げ
氷彫刻の制作時間は、作品の大きさや複雑さによって大きく異なります。

| 大きさ | 一般的な目安 |
|---|---|
| 小〜中型(卓上サイズなど) | 1〜2時間程度 |
| 大型(披露宴・イベント用) | 3〜5時間程度 |
| 巨大な作品(大会・フェスティバル) | 数日〜数週間(不眠不休で制作することもある) |
見た目の美しさとは裏腹に、短時間で一気に仕上げるスピードも求められるのが特徴です。

3)価格
氷彫刻の価格は、デザインの難易度、サイズ、使用する氷の量(本数)、実演(ライブカービング)の有無によって大きく変動します。
| 大きさ | 氷彫刻の価格目安 |
|---|---|
| 小・中型サイズ(宴会・パーティー用) | 約30,000円〜70,000円程度 |
| 大型 | オーダーメイド: 10万円以上〜(ご相談) |
| 宅配可能な小さな氷の彫刻 | 数千円〜1万円台(別途クール便送料) |
上記の他、価格を左右するものとして、
・サイズ
・難易度
・実演パフォーマンス
・設備環境・時期などが含まれます。
氷彫刻は、美しさだけでなく「環境や設備があってこそ成り立つ特別な技術」といえるでしょう。
氷彫刻家とは?仕事内容や特徴を解説
1)なぜ料理人が多いのか?
氷彫刻は、もともと料理の装飾技術の延長として発展してきました。
料理の世界では
・飾り切り
・フルーツカービング
・盛り付けなど、美しく見せる技術が重視されます。
その流れの中で、宴会やパーティーの演出として氷彫刻が取り入れられるようになりました。
特にホテルでは、結婚式や大型の宴会で会場を華やかにするために氷彫刻が使われることがあります。そのため、調理師やシェフが技術の一つとして氷彫刻を習得するケースが多く見られます。

また、調理師の技能を競う大会でも氷彫刻が扱われることがあり、料理人にとっては腕を磨く分野の一つとなっています。
つまり氷彫刻は、「料理を美しく見せる技術の延長線上にある表現」といえます。
料理と芸術が結びついている点は、とても興味深いと感じます。

2)番組で紹介される人物像
ここで番組で紹介される氷彫刻家について触れていきます。
ホテルニューオータニ(東京)の氷彫刻室室長を務める、世界的に著名な氷彫刻家です。世界大会での優勝経験を複数持つ「世界チャンピオン」として知られ、卓越した技術で宴席やイベントを彩る氷の芸術を生み出し続けています。
▼ホテルニューオータニの公式ホームページはこちら

グランドプリンスホテル高輪に所属する日本を代表する氷彫刻師(アイスカービング・アーティスト)です。国内外の大会で数々の優勝・入賞歴を持ち、ホテルの祝宴や式典での装飾に加え、巨大なクリスマス氷彫刻の制作なども手掛けています。
▼グランドプリンスホテル高輪の公式ホームページはこちら

番組では、こうした世界レベルの技術を持つ職人の実演が見られる点も大きな見どころです。
テレビで見た後にもう一度この記事を読み返すと、より楽しめるかもしれません。
氷彫刻に興味を持った方は、ぜひ番組とあわせてその魅力を楽しんでみてください。この記事が少しでも参考になればと思います。


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