はじめに ― 増える「家族葬」「墓じまい」「永代供養」
一昔前まで、葬儀は地域の中の「◯◯家の葬儀」として行われるものでした。
親族・友人・知人・仕事関係者など幅広い人へ訃報を知らせ、地域の人たちの協力を得ながら、通夜と告別式を2日間にわたって執り行うのが一般的でした。
しかし近年は、高齢化や地域のつながりの希薄化により、葬儀はより「個人単位」へと変化しています。
その象徴が家族葬の増加です。コロナ禍を経て葬儀は小規模化が進み、現在もその傾向は続いています。
葬儀は、時代とともにゆるやかに形を変え続けているのです。
葬儀は大きく2タイプに分けられる
●家族葬と一般葬
現在の日本では、参列者数によって「家族葬」と「一般葬」に分けられます。
・家族葬
近親者のみで見送る葬儀。範囲は家庭によって異なり、血縁者だけの場合もあれば、故人と親しかった友人を招く場合もあります。
・一般葬
近親者以外にも広く訃報を知らせ、多くの人で見送る従来の形式です。
●1日で行う葬儀もある
家族葬の一種である一日葬は、通夜を省略し告別式のみを行うため、1日で完結します。
祭壇の有無は形式によって異なりますが、式場を借りて僧侶に読経してもらう点は一般的な葬儀と同じです。
●セレモニーそのものを省略するケース
火葬のみを行う**直葬(火葬式)**という方法もあります。
もともとは事情により葬儀が行えない場合の選択肢でしたが、近年は本人が望んで直葬を選ぶ例も増えてきています。
葬儀は大切な人との「お別れの場」
葬儀は故人を供養するだけではなく、遺された人たちにとっても大切なお別れの機会です。
費用を抑えながらお別れをする方法もあります。
自宅安置が可能であれば、自宅で納棺の儀を行い、枕飾りとして用意される焼香台でお焼香をし、花や愛用品を手向けることもできます。
ある程度の予算があれば、一日葬を検討するのも一つの方法です。
菩提寺がない場合、葬儀会社に僧侶を紹介してもらうことができます。お布施は数万円台の設定が多いため、条件が合えば枕経を依頼することも可能です。
すでに火葬を終えている場合は、法要やお墓参りなどを通じて供養を続けることが、心の回復にもつながるでしょう。
形式について
葬儀の規模が決まったら、次にどの宗教形式で行うかを葬儀社へ伝えます。
宗教によって、必要な準備や進行が大きく異なるためです。
主な宗教形式は次の4つです。
・仏式
・神式
・キリスト教式(カトリック・プロテスタント)
・無宗教式
日本では約8割以上が仏式で行われています。
仏式の場合は、菩提寺の僧侶に読経してもらいます。菩提寺がない場合は、葬儀会社が僧侶を紹介してくれます。
なお、僧侶へのお布施は見積書に含まれないため注意が必要です。
●無宗教式の増加
近年は無宗教葬も増えています。
僧侶や神父などはおらず、読経の代わりに音楽を流したり、焼香の代わりに献花を行います。
司会者が入ることで、自由度の高いセレモニーにすることもできます。
増え続ける「墓じまい」
後継者がいない家庭は6割を超えるとの報告があります。
お墓を維持するには後継者が必要なため、後継者がいない場合は代々のお墓を手放す「墓じまい」を選択せざるを得ません。
墓じまいの理由として多いのは
・後継者がいない
・墓が遠い
・維持費が高い
などです。
手順としては、まず菩提寺の住職に閉眼供養を依頼し、墓石の魂抜きを行います。その後、遺骨を取り出し、石材店に墓石の撤去を依頼して更地に戻します。
費用の目安は
墓石の撤去:40〜50万円
菩提寺へのお布施:20〜40万円
ケースによっては離檀料が必要になることもあります。
遺骨は、合祀墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、さまざまな方法で供養できます。
永代供養
永代供養も年々増えています。
ロッカー型や自動搬送式の納骨堂など、形式は多様です。これらの多くは一代限りの永代供養です。
先祖代々型の仏壇式の納骨堂(霊廟)もあり、仏壇のような扉の中に遺骨を納めるタイプもあります。
また、合祀タイプ(合同墓)も一般的で、これも一代限りです。
●納骨堂利用の利点と注意点
・建物内なので掃除不要
・墓石の撤去や更地化が不要
・後継者がいなくても問題なし
ただし、納骨してくれる人の手配は必要(おひとり様の場合)
永代供養は施設によって供養期間が異なり、10〜30年など幅があります。費用だけでなく供養期間が希望と合うかが特に大切です。
●永代供養墓を選ぶポイント
納骨方法(個別か合祀か)
供養方法(宗派の確認)
┗「宗教・宗宗派自由」とあってもそのお寺の宗派で供養されることが多い
供養期間
┗何年で忌上げ(供養終了)となるのか
まとめ
現代の葬儀は多様化が進んでいます。
葬儀は頻繁に経験するものではないため、不安や疑問が生まれやすいものです。いざというときの参考として、少しでも役立ててもらえたら幸いです。


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