仏師になるには?若手が目指す背景を葬儀現場目線で解説

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近年、若い世代が仏師を目指すケースが増えているように感じます。

では【仏師】とはどんな職業なのでしょうか?
また、仏師になるにはどのような道のりがあるのでしょうか。

・学校で学ぶのか、弟子入りするのか? ・修行期間や年収は? ・仏像制作業界の現状は?

本気で目指している人ほど気になる点は多いはずです。

この記事では仏師になるには何が必要かという基本情報に加え、若手が仏師を目指す背景と現状を葬儀現場の視点から深掘りしていきます。

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仏師とは?仕事内容や年収を分かりやすく解説

【仕事内容】

仏師の仕事内容は大きく2つになります。

一つ目は仏像の制作です。
仏像と一言で言っても実は様々な素材から作られています。

主な材料は木、石、和紙や粘土、乾漆『かんしつ』(漆と麻布、もしくは漆と和紙)など多岐に渡ります。

木彫りに関しては一木造(いちぼくづくり)、寄木造(よせぎづくり)などがあります。

こうして聞くとそれぞれの材質や造り方の特性を理解する必要があることでしょう。

仏像作りだけに限った話ではありませんが、木材は湿度や気温の影響を受けやすく扱いには繊細な管理が求められます。

その日の気温、湿度にも気を配らないといけないと思うと一体どれほどの集中力がいるのかと驚きが隠せないです。

話は戻りまして、制作の最初の過程はデッサンから入ります。
三面図をもとに大まかな下絵を書いていくんですね。

そこからナタやノミを使って大まかに型どっていき、少しずつ細かい作業へと進んでいきます。

下記が作業工程になります。

①デッサン・三面図の作成
②木取り・下絵
③荒彫り
④中彫り
⑤仕上げ

1本の木が仏像へと姿を変えていく様は正に職人だからこそなせる技ですね。

さらに仏像は、「如来(にょらい)」「菩薩(ぼさつ)」「明王(みょうおう)」「天部」「諸尊」に分類されるため、宗派によって仏様の姿や持ち物が異なるため、仏教美術や宗派の理解も求められます。

これらの仏像はお寺や仏壇屋から依頼を受けて制作されております。

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そしてもう1つの仕事が修復です。

何百年、何千年と流れる時の中で経年劣化による文化財の修復。

欠損部分を補い当時の技法を再現しながら修復する作業は美術的な知識と歴史への理解も必要になります。

 

【給料と年収】

1.初任給…弟子としてのお小遣いは10万円前後

見習い期間中は労働とは形態が異なるため、給料というより師匠からもらう”お小遣い“という表現が多いとされています。

生活面から見ても住み込みで面倒を見てもらえるため、そのような賃金体系が一般的だと言われております。

師事する仏師によって額が変わるということですね。

2.平均月収…仏像の売値によっては変動がある

収入は修行段階・独立後・知名度によって大きく差があります。
作品単価も数十万円規模になることがあり、技術と評価がそのまま収入に反映される世界といえるでしょう。

多くの仏師は独立をするとフリーランスになる場合が多いため、仏像の売値によってさらに差が出る可能性も出てきます。

3.年収…腕前や知名度によって変動する

職人業ですから、やはり技術がそのまま収入に直結すると思われます。

具体的な金額について断定は出来ませんが仏師自身のネームバリューや技術力で更に価値が跳ね上がることについては、いかに修行が厳しく繊細な仕事だというのが伺い知れます。

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仏師になるには?学校・弟子入り・修行の道

まず仏師という仕事は”就職”ではなく”修行“を経て腕を磨くものとされています。
師事する師匠に住み込みで面倒を見てもらえたり、無料で指導してもらえます。

そして修行期間は10年ほどといわれております。

それは仏像制作は奈良時代から受け継がれてきた仕事であり、さらには仏教の信仰対象と世界観を伝える重要な役割があるからです。

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入門ルートは義務教育を終えた後、工房へ弟子入りする場合もあれば専門学校や美術大学を経て仏師を目指すパターンもあります。

いづれにしても仏像制作には仏教の教義に基づいており自由に制作が出来るわけではありません。

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なお、愛知県長久手市にある江場仏像彫刻所はテレビ番組『ウドちゃんの旅してゴメン』でも紹介された工房を紹介しますね。多数のメディアにも出演されているそうなので、こちらの記事でも紹介させていただこうと思います。

▶江場仏像彫刻所に詳細はこちら↓

江場仏像彫刻所|仏師 仏像制作 仏像修復 
江場仏像彫刻所の作品や仕事を通して、工房の特徴も紹介しているページです。仏師である江場琳黌、江場琳觀のこれまでの仏像彫刻や工房で行う截金や彩色の仕事も。仏像彫刻教室・草仏会も紹介しています。

 


仏師の仕事の現実は厳しい

今現在の仏師を取り巻く環境は厳しい傾向にあるとされています。

仏像制作業界が低迷している現状が厳しいとされる要因は何か?一つ一つ見ていきましょう。

 

1.熟練仏師の減少と後継者不足

仏師は師匠に師事しながら長い年月をかけて修行に励みますとお伝えしました。

ですが体力的にも、精神的にも厳しい修行に耐えなければなりません。

そして独立後は食べていけるのか?という経済的不安により弟子入りする若者が減少しているからです。

熟練技術を持った仏師の高齢化も技術継承が危ぶまれる要因とされています。

伝統を守ることにどれだけの人と時間を要するのか。
私たちが守っていかなければ、いずれ消えてしまう可能性もあると考えてしまいます…

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2.お寺の経営難。安価な輸入品による手彫り需要の減少

近年は安価で大量製造された外国製の仏像が流通した影響により、手彫りの仏像の需要が減ってきています。

さらに檀家離れもあり仏像そのものの需要が減ってきていること。仏壇を持たない家も増えてきたのも要因の一つと言えるでしょう。

他にも使用する素材の規制やコストなどの課題もあるとされています。

昔と違い、伝統そのものが受け入れにくくなっているように感じられます。

従来のやり方を工夫したり世の中に合わせて生きていかなければいけないのかもしれません。

 


それでも若手が目指す背景とは?葬儀との関係から考察

ここまでで仏師とは?仏師になるための経緯についてお話しました。

なぜ私がこの仕事を取り上げたのか?気になる方はいらっしゃいましたでしょうか?

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ここからは少し私の立場についてお話しようと思います。
私は葬儀業者として勤務していますし、仕事上”仏教”とは深い関わりがあります。

葬儀を行う上で仏像やご本尊は欠かせません。
祭壇の本尊の前に横たわる仏様を【葬儀】という式典で故人様を送り出すのが私の仕事です。

(まだまだ未熟者で宗旨宗派についての知識は勉強不足な部分が多いのが現状です…)

とまあ私の情報はここまでとして、なぜこの仕事を取り上げたのか?

仏像は寺院の中だけにあるものではありません。
葬儀の現場では、宗派によって本尊や飾り方が異なります。
その背景には仏師という仕事の存在があります。

それに私自身『職人』という言葉が好きなんですね。

葬儀の現場では【納棺師】という故人様を整える職人が葬儀の裏側を支えてくれています。
(映画『おくりびと (2008年公開)』が上映された時は話題になりましたね)

葬儀会社と直接的関係はないけれど、故人様の供養のために仏壇やご本尊があること。
それは【仏師】という職人が1人1人丹精を込めた『想いの形』なのだと思うのです。

これらは直接のやり取りはなくても、供養という一本の線でつながっています。
人と人との想いは全てつながるのだと感じる瞬間です。

だからこそ私はこの仕事を取り上げました。

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本来手彫りの仏像は仏師が魂を込めて生み出すもの。

その仏像に長年の伝統と技術。想いなどが継承されて生まれる仏教美術には時代を超越した不思議な魅力を感じています。

そんな魅力に惹かれる若い世代がいること。
他にも映画などの影響もあるかもしれませんね。

理由は人それぞれだけど、それらが若手が仏師を目指す背景なのかもしれません。

そして現状はというと、確かに葬儀の現場から見ても宗教離れは顕著に見られます。

葬儀と言えば仏式が一般的だった一昔と違い無宗教が増えてきているし、後継者がいなくて離檀されての墓じまい。そして永代供養を検討される方が増えてきています。

さらに仏壇も大きい物よりコンパクトでモダンなデザインが増えており、家具に合わせられる小型の仏壇が増えてきています。

宗教的な意味合いもそうですが、今の時代はインテリアとしての要素が大きいのかもしれません。

時代の流れといえばそれまでですが、それらが原因で伝統が薄れていくかもしれないのは非常に残念に感じます。

だからこそ時代に合わせたニーズに応えられる対応が求められているのが私達の課題なのでしょう。

消費者目線で見ても近年の物価高で安価な物に惹かれる気持ち凄く分かるんですけどね…

そんな世の中だからこそ見方を変えて存続し続けてほしいですし、仏像を必要としている業界がいることを知ってほしくて今回執筆しました。

多数のメディアにも出演されているそうなので、こちらの記事でも紹介させていただこうと思います。

※仏像繋がりでこちらの記事も読んでもらえたらと思います♪

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