愛知県の野外民族博物館リトルワールドにある台湾エリアは、グルメだけでなく‟建物そのもの”も見どころのひとつです。
実際に訪れてみると、ただの展示ではなく、当時の暮らしや考え方までリアルに再現されており、歩いているだけでちょっとした海外気分を味わえました。

この建物は、中国大陸南部・福建省から移住してきた漢族の伝統的な農家を再現したものです。
中国南部の建築様式をベースにしながらも、台湾の気候に合わせた工夫が施されています。
この記事では、台湾エリアにある「台湾農家」の建築様式や、風水の考え方について、写真付きで分かりやすく解説していきます。

台湾エリアの建物の特徴とみどころ
当時の暮らしぶり|家族で支え合う生活スタイル
台湾に住む漢族の多くは、もともと中国・福建省から移住してきた人々で、17世紀中頃に新しい耕作地を求めて台湾へ渡ったとされています。
- 復元年代:1950年代
- 復元方法:形態復元

形態復元とは、当時の資料(遺跡・文献・図面など)に基づいて、新たな材料と技術を用いて、過去の家屋の形を再現する手法です。

彼らは父系の血縁関係をとても大切にする文化を持っており、結婚後も親兄弟と同じ敷地内で暮らすことを理想としていました。
とはいえ、生活がすべて一緒というわけではありません。
結婚すると竈(かまど)を分けて食事は別にし、家計や財産もそれぞれ独立させます。

一方で、住まいは一つの家屋を分け合いながら生活するスタイルが取られていました。
こうした暮らし方が反映されたのが、コの字型に建物が配置された「三合院形式」です。
家族が適度な距離を保ちながらも、同じ場所で支え合って暮らす――
そんな当時の価値観が、この建築様式から見えてきます。

三合院とは?
リトルワールドの台湾エリアは、台湾の福建省系漢族の農家をモデルに再現されています。
この家屋で特徴的なのが「三合院(さんごういん)」と呼ばれる伝統的な建築様式です。

コの字型に建物を配置し、中庭を囲む構造の住居のこと。中央に広い中庭があり、その周囲を居住スペースが取り囲む形になっています。この中庭は、家族が集まる場所であり、日常生活の中心となる空間です。
また、外からの視線を遮りつつ風通しを確保できるため、プライバシーと快適さを両立した合理的な造りとも言われています。

実際に歩いてみると、建物の配置や開放感から、どこか落ち着いた雰囲気を感じられるはずです。
熱帯の日差しの強さを和らげる構造になっているため、柱郎(ちゅうろう)や屋根瓦を漆喰で塗り固めるなどの工夫が見られ、現地の暮らしぶりを知ることが出来、「なるほど」と納得できる造りでした。

正庁とは?台湾の民家の中心となる空間
台湾の伝統的な民家では、中庭に面した中央の部屋を「正庁(せいちょう)」と呼びます。
この正庁を基準にして、左側に家長の兄夫婦、右側に弟夫婦の部屋が配置されるのが特徴です。

正庁は、単なる居間ではなく、家の中でも特に重要な役割を担う場所です。
祖先や道教の神々を祀る祭壇が置かれ、命日や神々の誕生日には供物を供え、家族で祈りやお祝いを行います。
さらに、大切な来客を迎える応接の場として使われるほか、祝宴や冠婚葬祭などの儀式を行う空間としても利用されます。
つまり正庁は、信仰・生活・社交のすべてが集まる“家の中心”ともいえる存在です。

台湾の土地公廟「福德宮」とは?
台湾農家の向かいに建てられているのが「福德宮(ふくとくきゅう)」と呼ばれる小さな廟です。
ここには「福德正神(ふくとくせいしん)」、別名「土地公(とちこう)」という神様が祀られています。

土地公は、民間信仰における土地の守り神のような存在で、地域の安全や豊作、商売繁盛などを見守る身近な神様として広く信仰されています。
大きな寺院とは違い、こうした廟は生活のすぐそばに置かれることが多く、日常的に手を合わせる対象でもあります。
台湾の人々にとって、土地公は暮らしに寄り添う存在といえるでしょう。

風水思想と「逆さまの春」の意味
台湾の建物には、古くからの風水思想も取り入れられています。風水とは、土地や建物の配置によって運気の流れを整えるという考え方です。

その中でも分かりやすい特徴のひとつが、入口などに貼られている「春(しゅん)」の文字。よく見ると、この「春」の字は上下逆さまに貼られていることがあります。

これは間違いではなく、「春がやって来る(=福が訪れる):チュンダオ」という意味を込めた縁起担ぎです。中国語では「逆さま(倒):ダオ」と「到着する(到):ダオ」の発音が同じため、「春が逆さま」=「春が来る」と解釈されるんですね。
こうした文化的な意味を知ってから見ると、ただの装飾ではなく、暮らしの中に根付いた願いや祈りが感じられて、より楽しめるポイントになります。

フォトスポットまとめ
実際に訪れてみると、家屋の正面にはフォトスタンドが設置されており、正庁をバックに記念撮影ができます。

建物全体の雰囲気をしっかり収められるので、まずはここで1枚撮るのがおすすめです。また、建物内部も見学可能で、寝室・台所・客間・物置などを自由に見ることができます。


当時使用されていた家具や生活道具がそのまま展示されており、リアルな暮らしの様子を感じられるのも魅力のひとつです。

中華圏らしい装飾や、実際に使われていた農機具なども展示されているため、写真に奥行きが出やすく、雰囲気のある1枚が撮れます。
さらに、向かって左側(弟夫婦の寝室・台所手前)では、漢服などの民族衣装に着替えて撮影することも可能です。


建物の雰囲気と相まって、まるで現地にいるかのような写真が撮れるので、体験としてもおすすめです。
台湾エリアのグルメ・メニュー
野外民族博物館リトルワールドの台湾エリアでは、本格的な台湾グルメを気軽に楽しむことができます。
特に、タピオカミルクティーや鶏排(ジーパイ)、肉包、胡椒餅といった定番メニューは人気が高く、食べ歩きにもぴったりです。

実際に食べてみると、日本人向けに食べやすくアレンジされているものの、しっかりと台湾らしさも感じられる味わいでした。
メニューの詳細や実際に食べた感想については、こちらの記事で写真付きで詳しくまとめています👇

正直レビューも含めてまとめているので、気になる方はチェックしてみてください。
混雑状況とおすすめの時間帯|台湾エリアが混みやすい理由
台湾エリアは、グルメやフォトスポットが充実しているため、気づくと滞在時間が長くなりやすい傾向があります。
そのため、一度人が集まると人の流れが滞りやすく、時間帯によっては混雑しているように感じる場面もありました。
特に昼前後は、食事と写真撮影が重なるため人が集中しやすくなります。

一方で、ピークを過ぎると一気に人が引くため、時間帯をずらすことで快適に回れる印象でした。そのため、台湾エリアをゆっくり楽しみたい場合は、14:00以降の時間帯がおすすめ。
私が行った時には団体客が落ち着き、比較的ゆったりと見て回ることができました。
出来たら午前中から入園し、時間に余裕を持って回るのが良さそうです。おすすめの回り方基本的には、先に建物を見学してからグルメを楽しむ流れがスムーズだと感じました。

時間に余裕がある場合は、一度離れて再訪するのもアリです。混雑のピークを外すことで、同じエリアでも印象が大きく変わります。

まとめ|台湾エリアは建物・文化・グルメがバランスよく楽しめる人気スポット
野外民族博物館リトルワールドの台湾エリアは、三合院の建築様式や風水思想といった文化的な見どころに加え、フォトスポットやグルメも充実しているエリアです。
実際に訪れてみると、ただの展示ではなく「歩いて体験できる空間」としての魅力があり、短時間でも満足度の高い時間を過ごすことができました。
一方で、人気エリアならではの混雑もあるため、時間帯をずらすことでより快適に楽しむことができます。
これから訪れる方は、建物見学→写真撮影→グルメの流れを意識しつつ、余裕を持って回るのがおすすめです。台湾らしい雰囲気を気軽に味わえるスポットとして、ぜひチェックしてみてください。

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