神社の鳥居は元々白かった!赤色に変わった4つの理由

神明鳥居 イメージ 文化探訪
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神社に参拝する際、私たちが最初にくぐるのが鳥居です。鳥居と聞くと、鮮やかな朱色を思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、実は鳥居は元々白かったことをご存知でしょうか?木や石で造られた素朴な鳥居は、時代の流れとともに現在の朱色へと変化していきました。

今回は、鳥居が持つ本来の役割から、鳥居が白から朱色へ変わった理由を紐解いていきます。

神明鳥居と明神鳥居 イメージ
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鳥居の由来

鳥居の由来にはいくつかの説がありますが、特に有力なのが天照大御神に関するお話です。

その昔、天照大御神が天の岩屋に隠れた際、八百万の神々は常長鳴鳥(とこよながなきどり)という鶏を鳴かせました。

シトリン
シトリン

その鶏が止まった木が鳥居の起源になったという説があります。「鳥が居る」という漢字そのままの意味にも当てはまりますね。

その他、人が「通り入る」場所からそう呼ばれた説。

海外由来では、古代インドの仏教建築【トラナ】、中国の【華長】【牌楼】の影響。韓国のソッテ【鳥竿】、ユダヤなど多岐に渡ります。

鳥居の起源には諸説ありますが、現在でも決定的な説はないとされています。

古代インド トラナ イメージ
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鳥居の役割

神社の入り口にある鳥居は【ここから先は神聖な場所である】という目印になります。入り口であり門でもあるのですが、それ以前に鳥居にはいくつかの役割が存在します。

鳥居は神様のいる神域と、人が暮らす俗世を分ける境界であり結界としての役割があります。ここまではなんとなく理解している人が多いと思います。

そもそもなぜ結界が必要なのでしょうか?まずは神社が嫌う穢れとは何か?について触れていきましょう。

神社 イメージ
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なぜ神社には結界が必要なのか?

神社に結界が必要なのは【神様の神聖さを保つため】であり、【神社の中に穢れを持ち込まないため】と言われています。

そもそも穢れとはなんでしょうか?穢れとは「気が枯れる」が語源です。
ではとは何か?気は【人が持つエネルギー】と解釈すると分かりやすいかもしれません。

漢字では、元気・病気という言葉があるように、人が生活する上でのストレスや不安、嫉妬、妬み、怒りといったメンタルダウンの他、人が生きている上で避けては通れない病、老い、死も全て穢れとされています。

疲れ切った女性 イメージ
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神道では、穢れは人の心や生命力を弱らせるものと考えられてきました。一方で、神様は清らかな場所に宿る存在とされています。そのような穢れを神域へ持ち込むとどうなるか…

神社が穢れてしまうと神様は去ってしまうか、本来の力を発揮出来なくなってしまいます。さらに穢れが溜まると、邪気が集まってきてしまい、災いや不幸をもたらす「禍神(まがつかみ)」になるとも言われています。

そのため、神域の清らかさを保つこと、神域へ穢れを持ち込まないことは、神社を守るうえで大切なことでした。

シトリン
シトリン

だからこそ、神社では穢れを持ち込まないよう、様々な工夫がされてきたのです。その代表的なものが鳥居でした。

なぜ敷地内に鳥居が何本もあるのか?

最初の鳥居をくぐり、参道を歩いていくと、その先にも鳥居が現れる神社があります。特に規模の大きな神社では、このような光景を目にすることも少なくありません。

今までの話だと、結界の中にさらに結界があるのか?と気になるところですが、これにもきちんとした意味がありました。

神域には段階があり、鳥居をくぐるたびに少しずつ神様へ近づいていくという考え方があります。

  • 一の鳥居…人間界と神社の外側の境界
  • 二の鳥居…神域である境内に入った中間の境界
  • 三の鳥居…神様に最も近づく聖域直前の境界

徐々に進むにつれ、少しずつ俗世から離れ、神聖な空間へ近づいていく感覚になります。

森の中の神社 イメージ
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分かりやすく例えると、ホテルのエントランス→エレベーターホールのセキュリティ→部屋のドアのように、何重もの門を設けていることになるため、鳥居を一つずつくぐることで、俗世の穢れを少しずつ落とし、心を整えながら神様へ近づいていくという意味が込められているのです。

もちろん神社にセキュリティゲートがあるわけではありませんが、神聖な場所へ近づくという考え方は、現代の私たちにもイメージしやすいかもしれません。


鳥居の形状は主に2種類

一口に鳥居といっても、実は形にはいくつか種類があります。

その中でも代表的なのが【神明鳥居(しんめいとりい)】【明神鳥居(みょうじんとりい)】です。形に違いがあるので、それぞれ特徴をまとめていきます。

神明鳥居 | 直線的でシンプル

日本で最も古く、シンプルな形の鳥居です。全体的に直線で、色も木そのものの色や石の色をしているため、木や石の素材をそのまま生かしたものが多く、昔ながらの白木や石の鳥居として見かけることがあります。

特徴としては、一番上の横木が真っ直ぐなこと。横木が2本しかないため、サイドが突き出ていません。

神明鳥居 図解
神明鳥居 図解

明神鳥居 | 曲線的で鮮やか

赤い鳥居として一般的なものが、華やかな朱色の明神鳥居と呼ばれる鳥居です。仏教建築の影響を受けたとされ、神明鳥居よりも装飾性が高いのが特徴です。

一番上の横木の両端が反り上がり、横木の下には、さらにもう1本の横木(貫)があり、柱の外側に突き出ています。2本の横木の間に「額(社号額)」が飾られていることが多いです。

明神鳥居 図解
明神鳥居 図解

なぜ鳥居は白色だったのか?

日本の神道において、本来の鳥居の色は白が基本でした。古くから神道では、白は【清浄】や【神聖さ】を表す特別な色とされてきました。

そのため、本来の鳥居も白木や石そのものの色を生かした姿が基本だったと考えられています。あえて塗装を施さず、白木や原木の自然な色を生かしていたからです。

シトリン
シトリン

この白色は【最も神聖で清らかな色】と言われています。

神明鳥居 イメージ
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鳥居が朱色になった4つの理由

本来の鳥居は白かったわけですが、時代の流れに伴い、鳥居は形と共に色も変化していきます。現在、私たちがよく目にする鳥居は鮮やかな朱色が多いように感じられます。

では、なぜ白い鳥居は朱色へ変わっていったのでしょうか。その理由を4つに分けて見ていきます。

仏教の伝来 | 神仏習合

白木の鳥居が朱色(赤)へと変わっていった歴史的な経緯には、仏教の伝来と神仏習合にあり、時代の変化と共に、特徴も変化していきました。

歴史の流れをまとめてみると以下のような流れになります。

  • 飛鳥時代以前…日本独自の白木の鳥居が中心
          ↓
  • 飛鳥〜奈良時代…仏教·中国文化が日本へ伝来(お寺が立ち始める)
          ↓
  • 平安時代…神仏習合が本格化(ここで朱色の鳥居が登場)
          ↓
  • 江戸時代…庶民の信仰と結びつき、全国的に拡大

飛鳥時代から奈良時代にかけて、中国から仏教文化が日本に伝わると同時に、当時の日本にはない鮮やかな中国風の建築も、もたらされました。

鮮やかな朱色で彩られた寺院は、当時の日本人にとって息をのむほど美しい建築だったと言われています。

中国寺院 イメージ
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平安時代になると「日本の神様は、実は仏様が姿を変えて現れたのだ」という思想(神仏習合)が広く信じられるようになりました。これにより神社の境内にお寺が建てられたり、お寺の中に神社が作られていきます。

それに伴い、神社の鳥居や社殿にも朱色が取り入れられるようになっていきました。

明神鳥居 イメージ
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丹(に)=水銀の防腐効果

古くから鳥居に使われていた朱色の塗料には「丹(に)」と呼ばれる硫化水銀が使われていました。

丹には、防腐・防虫・防カビといった効果があるとされています。木材の腐食やシロアリを防ぐことで、鳥居全体を長持ちさせていたそうです。

水銀 イメージ
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実際は科学的効果なのですが、当時の人達にとっては、目に見えない力として信仰されていました。その優れた効果を科学ではなく、神秘的な力として受け止めていたのかもしれません。

魔除けの意味

朱色(赤)は、陰陽五行思想において「火」や「太陽」を象徴する色とされています。火や太陽は力強い陽のエネルギーを持つため、邪気や災いを遠ざける色として古くから考えられてきました。

そのため、鳥居を朱色で満たすことで、陰の気を持つ魔や邪気は近づくことができないと信じられていました。

太陽 イメージ
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赤色が象徴するもの

朱色には魔除けだけでなく、【命の誕生】【五穀豊穣】【願望成就への感謝】など、さまざまな意味が込められています。

生命を象徴する赤色と聞くと、多くの方は体内を流れる血液を思い浮かべるのではないでしょうか。

シトリン
シトリン

古代では、血は生命そのものであると同時に、強い生命力を表す神聖なものと考えられていました。そのため、朱色は生命力や繁栄を象徴する色として受け継がれてきたのです。

赤い光の中の女性 イメージ
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そして、五穀豊穣や願いが成就したことへの感謝を表し、奉納されたものの代表例として知られているのが、伏見稲荷大社の千本鳥居です。

伏見稲荷大社 千本鳥居 イメージ
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ただ、全ての神社が朱色に変わったわけではありません。現在でも白木や石の鳥居を残す神社があり、日本古来の姿を今に伝えています。


今も白い鳥居がある神社

現在、国内で見られる神社をいくつか取り上げてみました。海の近くや、格式高い歴史ある神社など、実に様々です。

こちらでは一部を取り上げてみました。

  • 桜井神社(福岡県糸島市)
  • 唐津神社(佐賀県唐津市)
  • 鵜原八坂神社(千葉県勝浦市)
  • 伊勢神宮(三重県伊勢市)
  • 熱田神宮(愛知県名古屋市)
  • 明治神宮(東京都渋谷区)
  • 済渡寺(岡山県新見市)

白木の鳥居と一言で言っても、神社によってはそれぞれ個性が感じられます。景色との美しさはもちろんのこと、本来の鳥居の姿を今に残す姿を見ていると、普段の生活で疲れた自身の心が洗われていくように感じられます。

それもまた白木の鳥居が持つ清浄の力なのかもしれません。神社を訪れた際は、ぜひ鳥居の形や色にも目を向けてみてください。これまで何気なくくぐっていた鳥居が、少し違って見えてくるかもしれません。

神明鳥居 イメージ
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